思いやりの育み方
「思いやりのある子になってもらいたい」
お子さんに対する要望でこの言葉をよく聞きますね。
誰もが辛かった経験があり、それを支えてくれたり、励ましてくれたり、癒してもらったことがあるからこそ、我が子も優しい思いやりのある子になって欲しい、と願うことでしょう。
子育てでは、こうなって欲しいという願いはあるけれど、なかなか思うようにはならないのが世の常ですが、それでも健康で思いやりのある子になって欲しいという願いは切ですね。
思いやり、という情緒的なことを身に着けてもらうにはどうしたらいいのか、
実は、理屈でもなんでも理解につながるためには絶対的な基本となる語彙(言葉の量)が必要です。思いやりという、一見情緒的なことにも、入り口には言葉が必要です。
わかりやすく説明していきますね。
思いやりはいつから育むのか
幼児期というのは、わがままで当たり前です。眠い、お腹が空いた、などの生理的な欲求が中心で、自分でできることがないのでお母さんを頼らざるをえません。また、言葉を覚えるまでは泣くことでしか伝える表現がありません。
2,3歳くらいまでは自己中心的ですので、むしろそれがお子さんの安定した情緒を育むための重要な期間ですので愛情いっぱいに受け止めてあげてください。
自分以外の誰かに対する思いやりの心を育むのは言葉を覚えるころから、だと言えます。
言葉を覚えるころになって他者とのコミュニケーションが始まるからです。
また「思いやり」というのは「自発心」です。自発心というのは、自然に沸き起こるものです。理屈ではなくて、自然に沸き起こり、こぼれ落ちるものです。
たとえば、ごめんなさいやありがとうは、考えて伝えることもありますが、自然に、思わず出るものではないでしょうか。
思いやりも同じです。損得や労力を考えて、ひねり出したものは思いやりとは言わないと思います。
思いやりも言葉から
私は思いやりを示す言葉を早く教えてあげたらいいと思います。
嬉しいと思ったら「ありがとう」
悪いことをしたと思ったら「ごめんなさい」
湧きあがった感情にぴったりの言葉があれば口に出すことができます。そして、この大事な言葉を通して自我を確立できます。
難しい話は置いといて、「ありがとう」や「ごめんなさい」の使い方を家族が示してあげることが大事です。
育児放棄などの理由できちんとした教育が身についていないお子さんは言葉だけでなく、感情も未発達です。感情でさえも言葉を通さなければ分析することもできず、ぼんやりとした快、不快の状態になって曖昧になってしまいます。
語彙が少ない人は自分のことでも曖昧なのです。相手に対してはなおさらです。
思いやりの入り口はまずは言葉からです。
思いやりの物語
私の伝えたいことが少しは伝わったでしょうか?
実生活では、「ありがとう」や「ごめんなさい」を使うときが限られるので
まだまだ想像力が弱い幼児にはぜひ絵本でたくさんの物語で教えてあげて欲しいと思います。
今回は、そんな小さな思いやりを感じる絵本「どうぞのいす」を紹介して終わりたいと思います。
いわずもがなのベストセラーですのでぜひお子さんと「どうぞ」の言葉も使ってくださいね(^^)
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